目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)

目黒区総合庁舎外観

【DATA】

  • 所在地:東京都目黒区上目黒2丁目
  • 設計:村野・森建築事務所/(改修)安井建築設計事務所
  • 施工:大成建設/(改修)フジタ・青木・三海JV
  • 竣工:1966年/(改修)2003年

 もともと千代田生命保険の本社ビルとして建てられた建物で、同社が2000年に経営破綻した際、目黒区が購入し総合庁舎として改修されました。 改修にあたっては「村野藤吾による既存のデザインをできるだけ残す」ことを設計方針として、庁舎としての利便性・公共施設として安全性向上のための改修、耐震性向上のための構造的な補強等が行われました。

目黒区総合庁舎ファサード

目黒区総合庁舎エントランスホール

 築山、池、屋上テラス(現在は駐車場)を、高層・中層・低層と高さの異なる複数の建築群で囲み、敷地の持つ高低差を活かした配置計画は実に見事です。また、アルキャスト(アルミ製の鋳物)による角を丸めた格子とテッセラ(大理石粗面小割りの小片)に覆われた建物の端正な外観は、光に応じて多様な表情を見せ、建築群と外部空間が一体となって豊かな空間を生み出しています。このアルキャストの格子で覆われたファサードのデザインは、周辺の閑静な住宅地に配慮して、光を吸収することを意図したものです。
 もちろん、ファサードだけではなく随所に村野藤吾によるデザイン溢れており、正面玄関車寄せの庇、エントランスホール、螺旋階段、モダンな茶室等、見所は尽きません。特に開口部のデザインには様々な趣向が凝らされていて、村野建築の特徴がよく現れています。(中庭エントランスホール茶室

目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社ビル)」への4件のフィードバック

  1. ここのエントランスホールの螺旋階段は美しいですね〜〜。
    「柔かく、重厚」まさに村野藤吾!!
    でも、ちょっと「2001年宇宙への旅」っぽくて以外というか再度見直した(←おっ!ちょっと偉そう。。。)というか。。。。
    そういえば、間違えた国会議事堂と聖徳記念絵画館。。。角かアールかの違いでしたね。ってハハ・・・観察力不足でした。。。

  2. ☆さん、こんばんは。
    村野藤吾の建築を見てると、よくぞこんなデザインを思いついたもんだと、いつも驚かされます。
    村野藤吾のデザインに含まれるSFっぽさは、言及されることが少ないですが、
    実はいろんなとこに見られますね。
    この建物の渡り廊下も、航空機のボーディングブリッジみたいでSFっぽいです。

  3. うわ〜、ここ、行ってみたかったんです。
    写真でも美しいから、実物はもっと美しいのでしょね。
    でも、口を開けてぼけ〜っと見ていたら、かなり怪しい人になっちゃいますね。気をつけよっと。

  4. lovetolaboさん、こんばんは。
    この建物は自由に見ることができると思うので、ぜひ行ってみてください。
    エントランスの庇、エントランスホール、階段等々、中も外もと見るところが盛りだくさんです。
    僕もそうなのですが、見上げると思わず口あいちゃいまので気をつけましょう(笑

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