2005-03-18明治生命館![]()
2〜6階にあたる中層部は先述のコリント式大オーダーが並び、その両脇に袖壁が取付き全体を引き締めていますが、皇居側の袖壁の外側をややセットバックさせて縁を切ることで、皇居側と南側のファサードの独立性を強めています。また、7階、8階の高層部に目を移すと、7階がアーキトレーヴ、 8階がフリーズとしてデザインされることで、全体のプロポーションを保っていますが、細部に渡って彫刻が施された軒蛇腹をアーキトレーヴとフリーズ双方に設けることによって、スケールの大きさを吸収しながら全体が引き締められているようです。 内部に目を移し、2階にギャラリーが回された2層吹抜の営業室に入ると、大理石をふんだんに使った贅沢なインテリアとなっていますが、横長のプロポーションの柱頭、天井の八角形をモチーフにしだデザイン、ギャラリーのボーダーに設けられた歪んだ持送りなど、外部とは正反対に西洋建築の様式を崩して用いた自由な意匠が展開されているように見えます。また、内部の照明器具は壁付けのブラケットタイプ、天井釣りのシャンデリア(1、2)とも凝ったデザインで、こちらも見所の一つとなっています。 このオフィスビルが竣工した1930年代半ばは、フランク・ロイド・ライトの帝国ホテルが日比谷に姿を現して10年以上が経っており、一方で丸の内の東京中央郵便局をはじめとする逓信省の建築、大阪のそごう百貨店心斎橋店 等、国内にもモダニズムの建築が現れはじめた時期でもあります。そのような時期に、これほど徹底した様式建築が計画されていたことは、 1920〜1930年代にかけての国内の過渡的な状況を顕著に表しています。
posted at 02:27:54 on 2005-03-18
by qaz -
Category: architecture file
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