堺筋倶楽部・AMBROSIA(旧川崎貯蓄銀行大阪支店)

アンブロシア エントランス廻り詳細

【DATA】

  • 所在地:大阪市中央区南船場1
  • 設計:川崎貯蓄銀行建築課
  • 施工:不詳
  • 竣工;1931年

 かつて、東は東横堀川西岸から西は西横掘川東岸まで、北は大川及び土佐堀川に沿える一区画から南は長堀の北岸までの地域が、「船場」と呼ばれていたといいます。
 この元銀行の建物はその「船場」の南端のほど近く、堺筋に面して、小品ながら濃密な装飾を持つ端正なファサードを見せています。

アンブロシア外観全景
アンブロシア 側面外壁詳細

 外観はルスティケーション(粗石積み)風の基壇部、フラットな石張りの中層部、軒蛇腹より上の手すり部分からなる3層構成。堺筋側のファサードは、低層中央のエントランス廻りは濃密な装飾が施され、中層部と上層部は中央部を若干張り出して正面性を強調。その中央部を挟んで縦長の窓を配した左右対称なデザイン。左右対称なデザインは、一部の例外を除いて、大小問わず当時の銀行建築に共通して見られる特徴です。
 一つ一つの装飾は、西洋の建築様式の細部を比較的忠実に写しながら、メインエントランス・サブエントランス廻りの装飾的要素の大胆な組立て方、しっかりと輪郭が強調された窓枠、大振りな軒蛇腹など、ルネッサンス後期のマニエリズムからバロック時代の意匠を思い起こさせます。
 この建物、現在はイタリアンとフレンチのレストラン・コンプレックスとなっています。1階のイタリアンレストランは、2層吹抜の元営業室をできるだけそのままに活かした空間。2、3階は金庫室や電話交換室を改修した個室。4階はパーティーなどに利用できる大空間となっているようです。1階で目を引くのは開きっぱなしの金庫の扉。この扉の奥は元々金庫として使われていた場所ですが、現在はワインセラーとして利用されているそうです。
 内部まで体験できる1930年前後の建物が少なくなってきている現在、このレストランは貴重な存在です。一時期閉鎖されて使われていない期間が長くあり、解体されることを覚悟していましたが、こうして大切に利用されているのを目の当たりにすると、まだまだ近代建築が残っていく可能性は残されているように思えます。

4 thoughts on “堺筋倶楽部・AMBROSIA(旧川崎貯蓄銀行大阪支店)

  1. おしゃれなレストランですよね〜〜。
    本当に素敵な空間です。
    今の銀行はなんとなくコンビニっぽくなってしまい、
    判り易くて便利といえば便利ですけど、
    ブランド感がなくなってしまって少し寂しい気がします。

  2. ☆さん、こんばんは。
    このレストランは、ほんとにいい空間ですね。
    銀行の営業室だった頃のデザインが、
    ほぼそのまま利用されているとのこと。
    末永く使われていって欲しいものです。

  3. kenです。ここ写メ撮ってました。
    送信しようかなーと思ってた矢先だったので、
    送らずにおいてよかったです。別情報を送信しときます。
    いわゆるリノベーションですね。
    「趣き」の感覚を刺激する素敵な大阪
    (本町・淀屋橋・天満橋の裏通り)の界隈だと思いますね。

  4. kenさん、こんばんは。
    AMBROSIA、行かれたんですね。
    お店の中には入られましたか?
    客席の空間もすばらしかったですが、
    それだけでなくサービスもとてもよく、
    もちろん料理もおいしかったです。
    もし、まだでしたら、ぜひ。

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