蔵囲夢(上川倉庫群)

チェアーズ・ギャラリー
Kuraimu , Asahikawa , Hokkaido , Japan

上川倉庫株式会社事務所
デザインギャラリー(10号倉庫)外観
倉庫等の妻側詳細

【DATA】

  • 所在地:旭川市宮下通11丁目
  • 設計:不詳
  • 施工:不詳
  • 竣工:1900〜1913年

 上川倉庫は明治31年に創立された旭川市初の倉庫業者。これらの倉庫群は道北の物流拠点として機能し、最盛期には21棟もの倉庫が建ち並んでいたといいますが、現在は1棟の事務所棟と複数の倉庫が残っています。
 事務所棟は現在も上川倉庫株式会社の事務所として利用されており、 5つの倉庫は地ビールやジンギスカンを楽しめるレストラン、イベントホール、リハーサルホール、そして2つのギャラリーに生まれ変わり、平成13年12月には国の登録文化財に指定されています。
 倉庫群は最大の倉庫棟を取り囲むように配置されているのが特徴的で、北海道はレンガ造の倉庫が数多く残っていますが、比較的小規模な倉庫が密集する様子は、他にはあまり見られない独特な景観を作り出しています。また、通りから見ると、倉庫と隣り合って並ぶ木造2階建の真っ白な事務所棟が一際目を引きます。事務所正面は切妻屋根のペディメントを冠し、下見板張りの外壁にアーチ状の開口を施したデザイン。建築の工匠が西洋の洋式建築を見よう見まねでつくったためか、ややぼてっとしたプロポーションがユーモラスな表情を見せます。
 これらの倉庫群は、流通の仕組みが変化してきた中でその役割りを終え、解体を考えられたことがあったようですが、市民を巻き込んだ議論の中で現在の形での再利用に至ったそうです。運営には様々なご苦労があろうことは想像されますが、街の資源として保存活用をご決断された方々に敬意を表さずにはいられません。

2 thoughts on “蔵囲夢(上川倉庫群)

  1. これは味のある建物ですね
    建物は古くてもデザインに古くささ(かっこ悪さ?)を感じさせないものって結構ありますよね。
    建物にしろ、車にしろ、椅子、机すらもデザインされた時期は古くても古さを感じさせないものがある。
    あれはデザインの力が宿ってるからだろうか?

  2. セイウチさん、こんばんは。
    この倉庫群、とても上手にリニューアルして使われていました。
    これは憶測ですが、倉庫という用途から考えると機能性がもっとも大切ですから、できるだけシンプルで無駄のないデザインにしたのだと思います。シンプルだからこそ用途の変更を柔軟に受入れる懐の深さを持っていたのでしょうし、古臭さを感じさせないのでしょう。
    あわせて、この倉庫群が積み重ねてきた時間も重要なポイントです。解体から一転、保存活用に至った大きな要因は、所有者をはじめ多くの市民の方々にとって旭川に欠かせないランドマークとなっていたからです。時代に関係なくランドマークとして認められるためには、ある程度長い時間の積み重ねが必要なのだと思います。

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