自由学園明日館

夜景

【DATA】

  • 所在地:東京都豊島区西池袋
  • 設計:F.L.ライト+遠藤 新
  • 施工:不詳(解体修理:大成建設)
  • 竣工:1921(解体修理:2000年)

 近代建築における3巨匠の一人に上げられる建築家、F.Lライトによる学校建築は、池袋の雑踏からそう遠くはないながらも閑静な住宅地の中にあります。
 自由学園は、雑誌「婦人の友」で知られる羽仁もと子・よし一夫妻によって創立された小中一貫教育の私立校で、東京都東久留米市南沢に移転した後、明日館は卒業生の事業活動に利用されていました。2000年に竣工した解体修理後は、『学園が社会に働きかける活動の場』と位置付けられ、一般の見学・施設利用も可能となっています。

食堂
照明器具

 建物は、食堂・ホールを中心に教室棟が東西に伸びていき、芝生の前庭を囲むように配されたシンメトリーな構成。切妻屋根のボリュームから教室群の勾配の緩い屋根が水平に伸びていく外観は、ライト初期の住宅建築に共通するデザインです。しかし、自由学園の場合シンメトリーな構成となっているため、それらの流れるような空間とは対照的に求心性が強く表れています。
 ライト特有の幾何学的なデザインは、照明器具や開口部のデザインに見ることができますが、他の作品と比べると装飾的要素が抑え気味にも感じられ、そのせいか落ち着いた佇まいを見せています。また、この建物の特徴として、いずれの部屋も天井が低く家具等も小さくつくられており、全体的に小さなスケールとなっていることが上げられます。これは、部屋のスケールから家具に至るまで全てのデザインが子ども達の視点でデザインされていることによるものだそうです。
 建設から70年以上が経ち老朽化が激しく取り壊しの憂き目にあいましたが、関係者のご尽力が実り、 1997年には国の重要文化財指定を受けて3年がかりで保存修理が施されました。保存修理に際して、オリジナルとは若干異なるところもあるようですが概ね当初のデザインとなっているようです。
 現在は一般の見学も可能ですが、施設の利用状況によって見学できない場合があるので、HPでスケジュールを確認してお出かけください。
自由学園明日館HP

4 thoughts on “自由学園明日館

  1. こんにちは。先日、三信ビル保存プロジェクトでWEB署名させて頂いた者です。メールを頂きましてありがとうございました。
    わたしは自由学園の卒業生なので、このページやヘッダーにある明日館ホール正面デザインの写真が嬉しかったです。繋がりを感じて。
    大阪にも素敵な建築物が沢山あるんですね。大阪には行ったことがないので機会があったら訪れたいと思います。東京と比べるのも面白いかもしれない☆
    「街の素材」いいですね。私の町にあるお気に入りは「ディペンデントハウス」であります!

  2. ともかさん、こんばんは。
    WEB署名へのご参加ありがとうございます。
    自由学園の卒業生ということは、
    この明日館や東久留米の遠藤新設計の校舎も、
    きっと体験されたんですね。うらやましい限りです。
    大阪、いいですよ。ここで紹介しきれていない見所が
    たくさんあります。ぜひ行ってみて下さい。
    ところで、ディペンデントハウスってどんな建物でしょう?
    また、教えてくださいね。

  3. ディペンデントハウスは、「米軍ハウス」と呼ばれたりします。ご存知かもしれません。
    ここで紹介されている「街」の素材とはまた違った、「町」の素材として特徴をもった建物の一種です。米軍家族の為に建てられた家です。URLは東京都福生市の例です。http://we-love-fussa.com/ho…
    1970年頃に米軍から日本人に空け渡され、あちこちに少しずつ残っているようです。「はっぴいえんど」などの音楽、村上龍『限りなく透明に近いブルー』などにみられる通り、ここの異国的な要素に日本人はいくつかの文化的な刺激を受けています。
    建物の魅力というのは、そこに繰り広げられる人間の営みを含んでいるのは、どこも同じだと思いますが、このディペンデントハウスは特に「営み」的魅力の比重が大きいように思います。リフォームO.K.というより自分でメンテナンスをしないと暮らせないので、壁を好きな色で塗ったり、そんな家が集落になっているわけです。といった感じです。

  4. ともかさん、こんばんは。
    ディペンデントハウス、
    アメリカの映画に出てきそうな景色ですね!
    ときどきニュースで見る米軍基地の中の住宅以外で、
    こんな風景が日本国内にあるなんてチョットびっくりしました。
    日本人に明け渡されって言うことは、普通に見れるんですよね?
    機会を作って実際に見てみますね。

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