北海道庁旧本庁舎

北海道庁旧本庁舎 外観
Sapporo , Hokkaido , Japan

階段上り口にある3連アーチ
階段側面の装飾
玄関廻りの外観

【DATA】

  • 住所:札幌市中央区北3条西6丁目
  • 設計:平井晴二郎(道庁技師)
  • 施工:直営
  • 竣工:1888年(明治21年)

 「赤れんが」の愛称で親しまれている北海道のシンボル的な建築物で、日本人が設計した本格的な洋風建築の最初期のものです。約250万個を数えるというレンガ積みの外壁に天然スレート葺きの大きな屋根、中央にそびえる八角形の塔を持つ堂々とした姿は、とてもシンボリックで印象的です。また、塔頂部までの高さ33m、間口61m、奥行36mという大きさは、当時としては国内有数の大きさであったと言いますから、かなりのインパクトを持っていたことでしょう。
 現在の姿は、昭和43年(1968年)に北海道100年を記念して創建当時に復元されたもので、建設から現在まで紆余曲折を経て現在に至っています。この建物を特徴づける八角形の塔は、火災で焼失した開拓使札幌本庁舎の八角塔をしのんで、北海道初代長官岩村通俊が工事途中に急遽設置を決めたと伝えられるもので、構造上の問題から竣工8年後に撤去されました。その後、1909年(明治42年)には火災によって内部および屋根を焼失。幸い赤レンガの外壁の損傷は少なく、2年後の1911年(明治44年)には修復工事が完了しましたが、その際、この塔は設けられなかったようです。
 様式的にはネオ・バロック様式をアメリカ風にアレンジしたものと言われていますが、外観はいわゆるバロック様式のような濃密な装飾が施されているわけではなく、装飾的な要素は玄関廻りの隅石やアーチ、そして窓台等に限られているため、シンプルな力強さを感じさせるデザインとなっています。一方、内部の意匠も過度な装飾が施されているわけではなく、中央の階段に設けられた3連アーチや階段側面の模様、開口部廻り等、要所要所で西洋建築のモチーフをアレンジした装飾が目を楽しませてくれます。
 なお、現在は、北海道の歴史・文化に関する展示施設と観光情報センターとして利用されています。

北海道庁旧本庁舎」への5件のフィードバック

  1. こんにちは。これは、自慢なのですが、祖父がこの旧道庁で働いてました。
    そのうち古い名簿から名前を見つけたいと思ってます。
    ここに訪れた感覚は、豊平館と似てると思いました。都内の旧貴族系庭園の屋敷と違って、ひっそりしてる気がします。私だけが感じたことかもしれませんが・・・

  2. 何度も行っていますが、一番覚えているのが写生会で訪れたとき(行きませんでした?)。
    内部はなんとなくしか覚えてませんでした。こんなに素敵な装飾だったんですね。今度行ったら別の楽しみ方ができそうです。

  3. kenさん、yokoさん、こんばんは。
    >kenさん
    旧道庁で働いてたなんて、うらやましいですね!
    ここの前庭、確かに旧貴族系の庭園とはちょっと違うような気がします。
    手元にはあまり資料が無いのですが、少し調べてみようと思います。
    >yokoさん
    写生会、行きましたよ!懐かしいですねえ。
    あの頃、この道庁をこんな風な見方で見るとは思ってもいませんでした(笑)
    階段廻りや扉等の開口部廻りの装飾、
    中々きれいですのでぜひご覧になってみてくださいね。

  4. sizika99さん、はじめまして。
    北海道庁は入場料無料ですよ。
    札幌に訪れることがあればぜひ行ってみてください。

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